つみたてNISAや企業型確定拠出年金(企業型DC)、iDeCoで初心者におすすめされがちなバランスファンド。
私が勤める会社では企業型確定拠出年金を採用しており、どのような商品/銘柄に積立投資している人が多いかの調査では、バランスファンドを選ぶ方の割合は約2割ほどいました。(ちなみに、元本確保型の商品が約4割~5割、国内・外国の株式や債券はそれぞれ約0.5割~2割の間です。)
このように、バランスファンドを選択する方がそこそこ多いのですが、本当におすすめできる商品/銘柄であるか疑問に持つ方もいらっしゃるかと思います。
そこで、今回は、バランスファンドの特徴やメリット、デメリットなどをご紹介したいと思います!
また、本当におすすめできる商品/銘柄であるか、他のインデックスファンドとの組み合わせは良いかなども併せてご紹介します!
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バランスファンドとは?特徴は?
バランスファンドとは、国内・外国の株式や債券といった複数の資産に、バランスファンド一つでまとめて投資できるファンドのことを言い、最初に設定された(運用会社によって決められた)資産配分となるよう、自動的に調整してくれるファンドです。
例えば、「国内株式・外国株式・国内債券・外国債券」の4つの資産に均等分散投資となるよう設定されたバランスファンドであれば、それぞれ、25%ずつの資産配分となるよう自動で調整してくれます。
自動で調整ってどういうこと?意味あるの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、株式や債券など異なる値動きのする資産に同じ金額を均等に投資し保有していると、当然ですがそれぞれの価格変動により、当初想定した資産配分(ポートフォリオ)から自然と外れてきてしまいます。
これを自動的に25%の配分に調整してくれるのがこのバランスファンドというわけです。
バランスファンドのメリットは?
異なる資産に分散投資できる
ファンドによって運用方針などは異なりますが、4つの資産や8つの資産に均等分散投資を行うファンドがあったり、資産の中でも株式の割合を多くしたファンドなどもあったりします。
バランスファンド一つだけの投資で、異なる資産に分散投資ができ、株式のみの投資と比べて価格の振れ幅(値動き)が抑えられます。
自動的にリバランスしてくれる
「国内株式・外国株式・国内債券・外国債券」の4つの資産に25%ずつの割合で投資したいと思って、それぞれの資産のファンドに同じ金額を投資し続けていても、価格変動によって、いずれかの資産が25%よりも増加したり、減少したりしてしまいます。
この場合、資産の割合をそれぞれ25%ずつに戻すとなると、自身で掛金を調整して調節するか、25%より多くなりすぎた資産の一部を売却して25%以下の資産を買い増してリバランスするほかありません。(つみたてNISAの場合は、積立中の資産の途中売却は推奨しません。)
この手間が非常に面倒なため、ほったらかしていても勝手にリバランスして、決められた資産配分となるよう調整してくれるバランスファンドは優秀です。
バランスファンドのデメリットは?
資産配分(日本・外国株式/債権/REITの配分)が自身で決められない
バランスファンドは、あくまで、運用会社が決めた資産配分(比率)に基づいて運用します。
この資産配分(比率)は、何か根拠があって比率が決まっているわけではありません。
4資産均等/8資産均等のバランスファンドなどは、国内株式と外国株式の比率が同じだったりしますが、そもそも国内株式は日本一か国、外国株式は先進国や新興国などの複数国であるのに投資比率を同じにするのは果たして良いことなのだろうか?とよく疑問に思います。
そのため、バランスよく資産配分できているから素晴らしいファンドであるということではありません。
投資信託をするにあたり、投資に関して運用方針(株式のみに投資したい/債権への投資は少しだけで良い/目標利回りは〇%以上が良い/2000万円以上を目標金額としたいなど)が決まっている方もいらっしゃるかもしれません。
また、例えそのような方針がない方でも、リスクを取って積極的に投資をしていきたいと考えている人やリスクをあまり取らずに安全に投資していきたいと考えている人もいらっしゃるかもしれません。
そのような方針や考え方が少しでもある方が、このようなバランスファンドに投資してしまうと、思っていた以上の運用成果が見込めなかったり、自身の運用方針とミスマッチした運用を継続してしまうことに繋がります。
資産配分(比率)によって、最終的な成果(リターン)に大きな影響が出るため、バランスファンドで投資信託を運用しようと考えている方は、自身の考えや方針と合った資産配分となっているファンドであるかどうかなどを見極めて投資していくと良いでしょう。
コストが比較的高め
最近だとコストが安いバランスファンドも見受けられますが、他のインデックスファンドと比べると比較的高めのコストがかかるファンドが多いです。
また、バランスファンドは利回りの低い債権などの資産にも投資しています。
国内債券は特にですが、低金利の影響でリターン(利回り)がほぼ期待できません。
ファンドの運用自体にコストがかかっているのに、このようなリターンに期待できない資産にも投資されているため、コストに見合わない/割に合わない運用と言わざるを得ないでしょう。
勿論、株式のみの運用と比べると、債権が含まれている場合の方が価格の振れ幅(値動き)を抑えることは可能ですが、私個人としては、債権への投資はコストとリターンを考えると勿体ないと思っている人間のうちの一人ですので、リスク許容度などに応じて債権が必要かどうか判断することが大事だと思います。
バランスファンドはおすすめしない?ダメ?いらない?
私個人としては、バランスファンドはおすすめしません。
理由は、デメリットの項目に記載の通りです。
自身の運用方針やリスク許容度、考えなどがあると思うので、それに基づいて、自身でどれに投資するかを決定し投資していった方が良いと考えます。
何を買えば良いのか分からないって方は、運用コストに見合うリターンが期待できる株式への投資、より具体的に示すと、全世界株式インデックスファンドへの投資がベターです。(企業型確定拠出年金やiDeCoで全世界株式インデックスファンドがなければ、先進国株式と新興国株式を9:1ぐらいの割合で持つのが良いですね。)
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なお、自身の運用方針や考え方などとマッチするような資産配分で運用しているバランスファンドがあればバランスファンドでも良いとは思っています。
バランスファンドと他のインデックスファンドとの組み合わせは?
何かの比率を高くしたいという考えで組み合わせるのは良いと考えますが、バランスファンドは一つで分散投資ができる銘柄/商品であるため、「他のインデックスファンドにも投資してリスク分散!」という考えのもと、他のインデックスファンドなどと組み合わせるのは止めておいた方が良いでしょう。
組み合わせてもリスク分散にはなりませんからね。
なお、組み合わせたいということは、自身の運用方針が何かしら決まっている方ではないでしょうか?
そのような方は、今一度バランスファンドにすべきか考えた方が良いかもしれません。
自身で投資先を自由に選んで自分好みの比率で投資した方が最終的なリターンも伸ばせる可能性がありますし一考の余地はあると思います。
おわりに
今回は、投資先として案外人気のあるバランスファンドについてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
バランスファンドは分散投資ができて素晴らしい銘柄/商品であると脳死で考えてしまいがちですが、よくよく考えてみると、いれてほしくない資産も含まれている場合があったり、もっと比率を上げてほしい資産があったりと、自身の考えや方針と異なった投資をしてしまうこともあります。
そのため、バランスファンドを選択するときは、自身の考えや方針とマッチしている運用を行えるファンドであるかよく確認したうえで投資すると良いと思います。
少しでもこの記事が参考になれば良いと思っております。
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