つみたてNISAやiDeCo、企業型確定拠出年金といった長期投資の投資信託をするうえで、全世界株式インデックスや先進国株式インデックス、米国株式インデックスをコアの投資先とする方は多くいらっしゃるかと思います。
そんな中、全世界株式インデックスをコアの投資先にしている方であれば新興国株式の割合を増やしたいと思っている方もいらっしゃると思いますし、または、先進国株式や米国株式をコアの投資先にしている方であれば新興国株式にもサテライト的に投資したいと考えている方もいらっしゃるかと思います。
新興国というと、人口の増加・経済成長の発展が著しく、株価もそれに合わせて上昇していくイメージがありますが、新興国株式の過去や現状を深く知ることで隠されたリスク(デメリット)やリターン(メリット)を知ることができます。
今回は、そんな新興国株式インデックスの特徴やポートフォリオに新興国株式を含めるべきか、または不要(おすすめしない)なのか、全世界株式や米国株式、先進国株式インデックスファンドとの組み合わせは良いのかなどをご紹介していきたいと思います!
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新興国株式インデックスファンドとは?特徴は?
「新興国株式インデックスファンド」とは、MSCIエマージング・マーケット・インデックスに連動する投資成果を目指すファンドです。
MSCIエマージング・マーケット・インデックスとは、Morgan Stanley Capital Internationalが提供する株価指数の一つであり、新興国27か国の大型株・中型株(約1400銘柄)を対象としているのが特徴で、時価総額加重平均型株価指数となっています。
「新興国株式インデックスファンド」の構成割合の多くを占めている株式は中国や台湾の株式であり、中国株式が約35%、台湾株式が約15%もあります。(この二か国だけで新興国株式の半分を占めています。)
また、韓国が約12%、インドが約12%の割合を占めているので、この4か国だけで新興国株式の約75%の割合をカバーしていることとなります。
長期投資に新興国株式インデックスファンドは不要?おすすめしない?見通しは?
客観的に判断すると、新興国株式インデックスファンドへの投資は現状不要だと感じますが、私個人としてはサテライト的に投資しておくのはおすすめします。
因みに、不要と考える理由は以下の通りです。
- GDPの成長=株価が上昇するとは限らない。(GDPと株価に相関関係がない)
- カントリーリスクがある/政治が不安定。(2021年で言えば、中国におけるIT産業や不動産、教育産業などの規制強化による株価下落のリスク。)
- インフレリスク。(為替差損で株価上昇分の利益が相殺されるリスク)
- 長期チャートを見ると、右肩上がりで推移しているというよりはある一定の幅で上下を繰り返している点{ボックス相場(レンジ相場)となっている点。}
- ボラティリティが高い。(値動きが激しい)
- 新興国の成長は先進国も享受可能な点。(日本の企業が新興国で事業を展開して製品を販売しているのが良い例)
このように、新興国株式インデックスファンドを不要と考える理由は多岐に渡りますので、新興国がもっと発展した後で、かつ、持続的/継続的に株価が右肩上がりに上昇する局面に入ってから投資を開始するという判断でも現状は良いのではないかとは思います。
なお、私個人としては、以下に掲げる理由により、サテライト的に(5~10%、多くても15%の割合で)新興国株式インデックスファンドへの投資をおすすめします。
- テクノロジーやインターネット事業(IT産業)の発展が著しく、新興国企業にもビジネスチャンスがある点。
- EV市場へのビジネスチャンスがある点。(EVはエンジン車と比べて部品点数が少なく、かつ、技術参入障壁が低い。)
現状、IT化やEVシフトの流れに世界は進んでいるため、新興国株式が先進国株式をアウトパフォームする時代がいつかは来ると思っています。
今後の成長に期待しすぎるのは良くありませんが、将来、どこの国が一番発展するかは誰にも分からないため、分散投資という観点からみても、多少の投資をするのはありだと感じております。
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全世界株式と新興国株式インデックスファンド両方買う(組み合わせる)のはあり?
全世界株式インデックスファンドを買う場合は、新興国株式インデックスファンドを買う必要はないと考えます。
全世界株式インデックスファンドは時価総額加重平均型であり、先進国よりも新興国の企業の株価が上がるような状況になれば自ずと新興国の株式の割合が多くなるようリバランスされます。
そのため、現状、全世界株式インデックスファンドの中の新興国株式の割合が少ないからといって、新興国株式インデックスファンドへサテライト的に追加で投資しなくても良いのではと考えます。
なお、新興国株式の成長や今後に期待しているんだ!と考えているのであれば、新興国株式インデックスファンドへ追加で投資するのもありではあります。
リスク許容度や新興国株式の現状を理解したうえで新興国株式インデックスファンドにも投資するかよく考えましょう。
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先進国株式と新興国株式インデックスファンド両方買う(組み合わせる)のはあり?
先進国株式インデックスファンドと新興国株式インデックスファンドを両方買うのはありだと考えます。
この場合、保有割合によっては全世界株式インデックスファンドと同じようなポートフォリオになります。
全世界に投資したいんだけど先進国株式と新興国株式の割合を自身で調整したい!と考えている方は、先進国株式インデックスファンドと新興国株式インデックスファンドへの投資をすると良いと考えます。
または、iDeCoや企業型確定拠出年金で全世界株式インデックスファンドがないから疑似的に全世界株式インデックスファンドと同じ運用となるようにしたい!と考えている方にもこの組み合わせは良いと思います。
分散投資という観点からもありですね。
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米国株式(S&P500/全米)と新興国株式インデックスファンド両方買う(組み合わせる)のはあり?
米国株式(S&P500/全米)と新興国株式インデックスファンドを両方買うのはありだと考えます。
米国のみへの投資はカントリーリスクが高いため、分散投資という観点からも新興国株式インデックスファンドへの投資はありだと思います。
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おわりに
今回は新興国株式インデックスファンドの特徴やリスク、他のインデックスファンドとの組み合わせなどについてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
新興国と聞くと、先進国と比べて人口増加傾向であり、経済成長の幅も大きく、今後への期待も高い、そんな国のイメージがありますが、新興国の現状やその株式の過去から現在を振りかえってみてみると、先進国株式と比較してそこまで投資対象として魅力的でもないかなという感じではありますね。
しかし、今まで一次産業が基本だった新興国が、IT化やEV化の流れによって先進国の企業を凌駕する企業も誕生するのではないかという若干の期待も込めて、新興国に多少投資するのも個人的には良いと思います。
客観的に見れば、無理に新興国株式に投資しなくても良いとは思いますので、リスク許容度に応じて投資するか判断してみてください!
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